Pythonにおける”モジュール(module)”とは、Pythonコードを再利用可能な単位で整理するための仕組みです。Pythonの設計哲学のひとつである「明示的で読みやすいコード」を実現する上で、モジュールは非常に重要な役割を果たします。
この記事では、モジュールの概要、import
の仕組みと使い方、自作モジュールの作成と再利用方法について、初心者向けに丁寧に解説します。
この記事の対象
Pythonにおけるモジュールとは?
モジュールとは、Pythonのコードを含んだファイルのことです。通常、.py
拡張子を持つファイルがモジュールとして扱われます。例えば、math.py
というファイルがあれば、それはPythonのモジュールとして使用できます。
モジュールを使う利点
- コードの再利用性が高まる
- コードの保守が容易になる
- 機能ごとに整理でき、見通しがよくなる
Pythonには、数百の標準モジュールが用意されており、ファイル操作、数学処理、ネットワーク通信など、さまざまな機能を簡単に利用できます。
importの仕組みと使い方
Pythonでは、モジュールを利用するためにimport
文を使います。以下は基本的な使用例です。
import math
print(math.sqrt(25)) # 5.0
import文の使い方のバリエーション
シンプルなimport
import datetime
print(datetime.datetime.now())
サブモジュールを名前指定でimport
from math import pi, sin
print(sin(pi / 2)) # 1.0
別名を付けてimport
import numpy as np
print(np.array([1, 2, 3]))
「as」を用いるとModule名を任意の名前に変更できます。
モジュールの探索パス
Pythonはモジュールを探すとき、次の順序でパスを調べます:
- 当前のディレクトリ
- PYTHONPATH (環境変数)
- システム済みのモジュールパス
不明な場合、次のように調べられます:
import sys
print(sys.path)
モジュールの作成と再利用
自分でモジュールを作成するのは簡単です。
ステップ1: my_module.py
def greet(name):
return f"Hello, {name}!"
ステップ2: main.py
import my_module
message = my_module.greet("Taro")
print(message) # Hello, Taro!
ステップ3: ディレクトリ構成
project/
├─ main.py
└─ sample_module.py
同じディレクトリにある場合、上記のようにするだけで動作します。
よくあるエラーと回避策
エラー | 原因 | 回避策 |
---|---|---|
ModuleNotFoundError | モジュール名が間違っている | 指定する名前を確認 |
ImportError | 関数が存在しない | モジュール内の名前を確認 |
AttributeError | サブ関数の呼び出しのミス | dir() でチェック |
おわりに
Pythonのモジュールは、他の言語にも見られる「内幅化」と「内容分離」を実現するための基礎的な機能です。自作モジュールを利用することで、コードをより澄らかで再利用可能にしましょう。