ここでは、「基本情報」におけるストラテジ系で出題される情報システム戦略における「エンタープライズアーキテクチャ(EA)」について概要を解説しています。
この記事の対象
エンタープライズアーキテクチャとは
エンタープライズアーキテクチャ(EA:Enterprise Architecture)とは組織全体の業務としてシステムを統一的な手法でモデル化し、業務とシステムを同時に改善することを目的とした、組織の設計・管理手法です。
また、システム全体の最適化を図るためにアーキテクチャモデルを作成し、目標を明確に定めることが必要です。
アーキテクチャモデルとは、業務とシステムの構成要素を記述したモデルのことです。目的としては、組織全体としての業務プロセス、業務に用いる情報、システム構成、利用する技術のアーキテクチャを整理してシステム全体の現状と理想を表現するためです。
関連用語
項目 | 内容 |
ザックマンフレームワーク | 複雑な組織を体系的に分析・把握できるフレームワーク |
業務・システム最適化 | ITを用いた業務の見直しや、各組織ごとに個々に作られてきた情報システムの集中化や一元化 |
As-isモデル | 業務の現状を可視化するためのモデル |
To-beモデル | 業務の理想を可視化するためのモデル |
アーキテクチャの種類
アーキテクチャには4つの種類があります。
- ビジネスアーキテクチャ(BA:Business Architecture)
- データアーキテクチャ(DA:Data Architecture)
- アプリケーションアーキテクチャ(AA:Application Architecture)
- テクノロジアーキテクチャ(TA:Technology Architecture)
それぞれ目的と手法が違います。
ビジネスアーキテクチャ
ビジネスアーキテクチャ(BA:Business Architecture)とは、組織の目標や業務を体系化したアーキテクチャです。
関連用語
項目 | 内容 |
業務説明書 | 業務の概要をまとめたもの |
DFD | Data Flow Diagramの略。データの流れを示した図 |
WFA | Work Flow Architectureの略。業務の流れを示した図 |
UML | Unified Modeling Languageの略。表現の方法を統一するための図。いくつか種類がある |
データアーキテクチャ
データアーキテクチャ(DA:Data Architecture)とは、組織の目標や業務に必要となるデータの構成、データ間の関連を体系化したアーキテクチャです。
関連用語
項目 | 内容 |
データ定義表 | 業務を構成する「情報」が、情報システム上のマスターファイルやデータベースで、どのような形で管理されているかについて示すための表 |
情報体系整理図 | UMLのクラス図とも言われる。業務における「情報」について、各「情報」間の関連及び構造を示すための図 |
E-R図 | Entity Relationship Diagramの略。システムのデータやデータ間の処理構造を設計するための図 |
アプリケーションアーキテクチャ
アプリケーションアーキテクチャ(AA:Application Architecture)とは、組織としての目標を実現するための業務と、それを実現するアプリケーションソフトウェアの関係を体系化したアーキテクチャです。
関連用語
項目 | 内容 |
情報システム関連図 | 情報システム間でやり取りされる情報の種類及び方向を論理的及び物理的に明確化するための図 |
SOA | Service-Oriented Architectureの略。ソフトウェアの機能とサービスをネットワーク上で連携させて大規模なコンピューターシステムを構築する手法のこと |
テクノロジアーキテクチャ
テクノロジアーキテクチャ(TA:Technology Architecture)とは、業務を実現するためのハードウェア,ソフトウェア,ネットワークなどの技術を体系化したアーキテクチャです。
関連用語
項目 | 内容 |
ハードウェア構成図 | サーバーの台数、CPUスペック、HDDスペック、接続方法等が示された図 |
ソフトウェア構成図 | ドメイン、OS、通信規格、UPS等が示された図 |
ネットワーク構成図 | 機器同士がどのように接続されているかが示された図 |
根本的にフレームワークを学びたい方
課題解決、業務効率化を図るために上記に挙げられる様々な手法を用います。しかし、ここで紹介した関連用語はごく一部になります。
基本情報技術者試験のためだけではなく、実際に課題解決、業務効率化に試行錯誤している方で根本的に「フレームワークって他に何があるのか?」と言う方には、様々なフレームワークが広く紹介されているサイト・書籍で学ばれるのが後々に活きてくると思います。
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